医療機関・検査分析機関の皆さまへ

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厚労科研白土班報告書
事例集「出生前検査に関する支援体制構築のための研究」から抽出した課題と好事例

妊娠22週未満で出生前検査(確定診断)陽性事例が生じたとき
皆さんの施設ではどのように対応されていますか?(1)

出生前検査の結果で異常を認めた場合の支援体制・精神的ケアはどの施設でも苦慮されていると思います。そこで全国の遺伝医療に関わる590の施設にアンケート調査を実施しました。回答は316施設(53%)から頂きました。

(医療施設調査:2021年10月:出生前検査認証制度開始以前の調査)

  • 回答した316施設のうち、分娩を282施設(89%)が扱っていました。
  • 出生前検査(確定診断)陽性事例には222 施設(71%)が対応し、対応のルールまで決まっている施設は94施設(43%)でした。
  • 陽性事例に対し、人工妊娠中絶を自施設で「対応/事例によって対応」している施設は199施設(89%)ありました。
  • 認定遺伝カウンセラーは41%の施設で在籍し、陽性事例への対応に81%が関わっていました。
  • ※【出生前検査陽性】 とは遺伝学的検査によって染色体疾患や遺伝性疾患が確定診断された事例と定義しています。
    (胎児形態異常の症例でも遺伝学的検査が実施されていない症例には含めていません)
  • ※【対応】とは妊婦健診、分娩、中期の人工妊娠中絶、診察、遺伝カウンセリング、面談・面接などいずれかの医療行為を行なうこととしました。

医療施設調査において医療者個人調査に同意した施設に医療者個人調査:2021年12月に行いました。

妊娠22週未満の出生前検査(確定診断)陽性事例への対応

Q. 妊娠22週未満の【出生前検査陽性】事例が≪妊娠継続≫を選択した場合、通常の周産期管理の以外の実施項目

(医療者個人調査:2021年12月)

陽性事例に対応のある産科施設の80%以上で院内カンファレンス・事例症例の共有、小児科との連携が行われ、妊産婦や生まれた時に病気や障がいのある子への行政紹介が行われていました。また、50%以上で妊婦に、ペリネイタルビジット、書籍・パンフ紹介、NICU見学、患者会・当事者会紹介、精神科紹介が行われていました。妊娠継続のための基本的な医療以外の特別な対応をしていない施設は15%でした。

Q. 妊娠22週未満の【出生前検査陽性】事例が人工妊娠中絶を選択した場合、≪中絶後の≫女性に対する実施項目

(医療者個人調査:2021年12月)

産後の助産師面談は88%で、事例により精神科・心療内科医師の診察を42%、ピアカウンセリングの紹介は30%の施設で行われていました。
また、産科と自治体(行政)との連携は、事例によって行うことがある、あるいは必ず行うといった回答が約半数を占めていました。

妊娠22週未満で出生前検査(確定診断)陽性事例が生じたとき
皆さんの施設ではどのように対応されていますか?(2)

出生前検査の結果で異常を認めた場合の支援体制・精神的ケアはどの施設でも苦慮されていると思います。そこで全国の遺伝医療に関わる590の施設にアンケート調査を実施しました。回答は316施設(53%)から頂きました。

(医療施設調査:2021年10月:出生前検査認証制度開始以前の調査)

出生前検査陽性事例で妊娠を継続した事例には多くの施設で様々な支援が実施されていることが明らかになりました。また、人工妊娠中絶が選択された場合も助産師面談を始め、精神科・心療内科医師による診察、行政への連携も行われており、継続した支援が行われていることがうかがえました。妊娠中断後は心身の障害が生じる可能性を考慮し、自治体の担当者を含めた長期的な視点でのケア体制の更なる構築が期待されます。
今後は各種対応の具体的な内容を明らかにし、出生前検査を検討している妊婦に対して社会的にも理解されやすい支援体制を構築していくことが課題と思われます。

  • ヒアリング16施設の対応も是非ご参照ください; 「出生前検査に関する支援体制構築のための研究」研究概要・事例集」
  • 参照:URL  https://www.showa-obgy.jp/dcms_media/other/事例集%E3%80%80報告書%E3%80%80Final%20Ver..pdf

アンケート調査で特徴的な回答をした医療施設へ具体的内容を知る目的で2022年9月~2023年1月にヒアリング調査を行いましたので抜粋し紹介します。

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