超音波マーカーの検査・コンバインド検査

超音波マーカーの検査・コンバインド検査とはどんな検査ですか?

超音波マーカーの検査・コンバインド検査とはどんな検査ですか?

妊娠11~13週に超音波検査をおこない、ダウン症、18トリソミー、13トリソミーがある可能性の高さを調べる検査です。全身を見る胎児超音波検査の一部もしくは追加として行われることもあります。

超音波検査だけではなく、血液検査を組み合わせるとより高い精度の「コンバインド検査」となります。血液検査は、母体血清マーカー検査とは異なるコンバインド検査専用の血液検査です。コンバインド検査は、「オスカー検査」と呼ばれることもあります。

超音波検査は、病気があるときに変化が出やすい「マーカー」とされる場所を計測します。もっともよく使われているのは「NT」と呼ばれる首の後ろのむくみで、ほかにも「鼻骨の有無」「三尖弁(心臓の弁)」などいくつかのマーカーを合わせて調べることもあります。見るマーカーの数が多いほど精度が上がります。マーカーの正しい計測には訓練を要し、検査者の国際的な認定制度があります。

超音波検査でマーカーを見るだけなら結果が即日出ることが多いですが、コンバインド検査になると採血から検査結果を受け取るまでの日数は即日~2週間程度とさまざまです。料金は、5千円~5万円程度と幅があります。胎児超音波検査のオプションとして実施されることもあり、料金体系も施設によってさまざまです。

対象となる病気

ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーの3つの病気がある可能性を調べます。病気の症状の出方は、超音波検査で手がかりが得られることもあります。

判定の出方と、確からしさ

コンバインド検査の結果は病気ごとに、二通りの方法で示されます。


【1】分数で示す
たとえば1/256、1/8のように分数で示されます。1/256とされた人が256人いたらそのうちのひとりにその病気があり、255人にはありません。最高に大きな値は1/2で、1はありません。ゼロという結果が出ることもありません。

示された数値が大きいと自分が感じた場合は、羊水検査など診断が確定できる検査、もしくは他のもっと精度の高い非確定的検査を受けるかどうかを考えます。超音波検査でその病気の特徴が見えたかどうかも参考になることがあります。


【2】スクリーニング陽性・スクリーニング陰性
基準値(カットオフ値)を上回った場合に「スクリーニング陽性」と表示されます。

1/300をカットオフ値とした海外のデータによると、NTのみを計測したコンバインド検査で「スクリーニング陽性」となった人の陽性的中率は次の通りです。

Malone FD, et al.: N Engl J Med 2005; 353: 2001-2011 報告された感度、特異度から計算

【NTのみを計測したコンバインド検査「スクリーニング陽性」となった人の陽性的中率】

(NTだけではなく多くのマーカーを調べると、陽性的中率はもっと高くなります)
20代後半の妊婦さん 1.5%
35歳の妊婦さん 4.9%
40歳の妊婦さん 13.4%

「スクリーニング陽性」の人には、実際にはその病気がない「偽陽性」の人が多く含まれています。

「スクリーニング陰性」とされた場合は、本当にその病気がないことがほとんどです。「スクリーニング陰性」となった人の陰性的中率(本当にその病気がない人の割合)は次の通りです。

【NTのみを計測したコンバインド検査「スクリーニング陰性」となった人の陰性的中率】

20代後半の妊婦さん 99.99%
35歳の妊婦さん 99.95%
40歳の妊婦さん 99.85%

コンバインド検査はどこで受けられますか?

胎児超音波検査が受けられる施設を探すことになります。健診を受けている産婦人科医療機関や遺伝カウンセリング実施施設で紹介を受けることもできます。