母体血清マーカー検査

母体血清マーカー検査とはどんな検査ですか?

母体血清マーカー検査とはどんな検査ですか?

妊娠15~20週に、妊婦さんから血液を採取して、血液中にα-フェトプロテイン、hCG(free-β hCG)、エストリオール(uE3)、インヒビンAなどの物質がどのようなバランスで含まれているかを調べる検査です。年齢、体重、妊娠週数等も加味します。

採血から検査結果を受け取るまでの日数は10日~2週間程度で、料金は2~3万円ほどです。クアトロ検査と呼ばれることもあります。

対象となる病気

ダウン症 (21トリソミー)、18トリソミー、開放性神経管奇形の3つについて、病気がある可能性の高さを調べます。病気の重さや症状の出方はわかりません。

判定の出方と、確からしさ

母体血清マーカー検査の検査結果は病気ごとに、二通りの方法で示されます。


【1】分数で示す
たとえば1/256、1/8のように分数で示されます。1/256とされた人が256人いたらそのうちのひとりにその病気があり、255人にはありません。最高に大きな値は1/2で、1はありません。ゼロという結果が出ることもありません。

示された数値が大きいと自分が感じた場合は、羊水検査など診断が確定できる検査、もしくは他のもっと精度の高い非確定的検査を受けるかどうかを考えます。


【2】スクリーニング陽性・スクリーニング陰性
基準値(カットオフ値)を上回った場合に「スクリーニング陽性」と表示されます。カットオフ値は、羊水検査の流産率に近い35歳女性の平均値1/295が使われることが多いようです。

1/300をカットオフ値とした海外のデータによると、母体血清マーカー「スクリーニング陽性」となった人の陽性的中率は次の通りです。

Malone FD, et al.: N Engl J Med 2005; 353: 2001-2011 報告された感度、特異度から計算

つまり、母体血清マーカーで「スクリーニング陽性」の人には、実際にはその病気がない「偽陽性」の人が多く含まれています。

一方、「スクリーニング陰性」とされた場合は、本当にその病気がないことがほとんどです。「スクリーニング陰性」となった人の陰性的中率(本当にその病気がない人の割合)は次の通りです。

母体血清マーカー検査はどこで受けられますか?

産婦人科医療機関の一部で実施されています。健診を受けている産婦人科医療機関や遺伝カウンセリング実施施設で紹介を受けることもできます。